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涙腺決壊音楽選集

泣きたいあなたに泣ける音楽をノンジャンルでご紹介。


アッレグリ:ミゼレレ




 泣ける音楽といえばこれでしょう。ルネサンス音楽の至宝アッレグリの「ミゼレレ」です。この澄み切った美しさの前に言葉は不要です。
 この曲に関するモーツァルトのエピソードは有名ですね。「ミゼレレ」はシスティナ礼拝堂における門外不出の曲だったのですが、一度聴いただけでモーツァルトは楽譜に起こしてしまった、というもの。実に9声部!信じられない話ですね。
 感覚的な敬虔さに酔いしれるだけでなく、ぜひとも、テキストと一緒に鑑賞してください。こちらのサイトにテキストと日本語訳があります。

タリス・スカラーズ盤

流石にうまい。清浄な音響世界を余すところなく伝えます。パレストリーナのミサ「パパエ・マルチェッリ」も同時収録でお得。


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エルガー:チェロ協奏曲

 通称「いぶし銀」協奏曲。そこはかとなく和風な雰囲気が漂うのは、イギリスと日本が共に島国だからでしょうか。岩に砕ける浪がザッパーン、といった雰囲気。しかめっ面で聴かなければ駄目です。

素晴らしいことにデュ・プレの演奏がYouTubeにて観賞できます。夫のバレンボイムとの演奏ですね。







(2分ほど3楽章と重複してます。)





デュ・プレ、バルビローリ@ロンドン交響楽団

否が応でも感動的なこの作品ですが、ジャクリーヌ・デュ・プレの儚い生涯を知った上で、彼女の演奏を聴くとさらに感動的。ということで推奨盤は断然デュ・プレ盤(バルビローリ指揮)。

マイスキー、シノーポリ@フィルハーモニア

実に渋い演奏。デュ・プレより落ち着きがあるので、激情系が苦手な方はこちらの方がオススメ。

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ブライヤーズ:「イエスの血は決してわたしを見捨てたことはない Jesus' Blood Never Failed Me Yet

 現代音楽の作曲家ギャヴィン・ブライヤーズ(Richard Gavin Bryars)の作品。ホームレスの歌う賛美歌をループさせ、オーケストラの伴奏を発展させていくミニマル音楽。なんと終盤ではトム・ウェイツが参加し、渋いダミ声を披露します。
 ひたすら続く敬虔なメロディの繰り返しは、全曲を通して不思議な色彩に満ちています。“怖い”という感想を持つ人もしばしば。間違っても通勤・通学に聴く曲ではありません。静かな部屋で一人耳を傾け、音楽世界へ“沈み込む”ための音楽です。



Bryars: Jesus' Blood Never Failed Me Yet



グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」

 グレツキ(1933-)はポーランドの作曲家。他の作品はかなり前衛的なのですが、この3番は最高のヒーリングミュージック。その作風は“holy minimalism”とも呼ばれます。ブライヤーズなんかもこのholy minimalismでしょう。
 Wikipediaによれば「第1楽章では15世紀に書かれた哀歌、第2楽章ではザコパネに在るゲシュタポ収容所の独房の壁で発見された言葉、そして第3楽章では民謡からそれぞれ歌詞が使われている。」そうです。日本語訳を持っていないので意味が分かりません…買う時は国内盤を買うのをおススメします。
 音楽は最初から最後までLentoでゆったりと流れます。ソプラノとオーケストラの音響が見事に溶け合う瞬間は感動的です。この曲が嫌いな人はいないでしょう。



コルド@ワルシャワ響、コショウスカ

ベスト盤。主張しすぎないソプラノが見事にオーケストラと共鳴しています。


ウィット@Katowice Radio Symphony Orchestra、Zofia Kilanowicz

NAXOS盤ですが、これもおススメ。コルド盤が手に入らなかったらこちら。


ジンマン@ロンドン・シンフォニエッタ、アップショウ

バカ売れし、イギリスではヒットチャートにもランクインしたという盤。ですが、アップショウの歌声はイマイチ。

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デュリュフレ:レクイエム

 デュリュフレ Maurice Durufle(1902-1986)はフランスの作曲家・オルガン奏者。最も美しいレクイエム。フォーレのレクイエム同様「怒りの日」を含まない、穏やかな作風。フォーレのそれよりオルガンの色彩が濃厚なことと、ルネサンス音楽の影響が強いことが特徴的。空気のように透明で、水のように浮力を与える。泣けるというよりは、“浸る”類いの音楽。



Piquemal@City Orchestra

NAXOS盤。他の収録曲も豊富で嬉しい。演奏も問題なし。


ミュンフン@サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団

オルガンの色彩が弱く、デュリュフレらしさを感じにくいか。

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コープランド:バレエ音楽「アパラチアの春」

 コープランドはアメリカを代表する作曲家。親しみやすい作風が特徴です。アパラチアの春は交響曲第3番に並ぶ傑作。シェイカー教徒の賛歌「Simple Gifts」が主題として用いられています。元々著名な振付師、マーサ・グレアムのために書かれた曲です。当初のタイトルは「マーサのためのバレエ」だったのですが、当のマーサが曲の印象から「アパラチアの春」が良いんじゃない?と提案しそれに決定しました。コープランド自身は南北戦争時代の牧歌的な世界をイメージして作ったとか。完全版とバレエ組曲版があり、微妙に曲が違います。完全版には戦いや不安が描かれているのが特徴。曲は全9曲のバレエ組曲。

1.プロローグ

美しいアパラチア山脈の夜明け。高原の冷たい空気と霧と朝露。息の長い繊細な音楽です。

2.エデンの谷

コミカルに動き出す動物と、萌え出る新緑。崇高なプロローグ主題によるコラールと、躍動的な主題が絡みあう箇所が実に感動的。一旦途切れると、ファゴットが印象的な人間世界の描写。曇天。

3.結婚の日 Part 1

楽しい田舎の結婚式。踊る新郎新婦と参加者たち。

4.結婚の日 Part2

感情豊かな花嫁のダンス。序奏が優しく回帰する。

5.間奏曲

クラリネットによる賛歌「Simple Gifts」の提示。様々な楽器で、テンポを変えて変奏されていきます。楽章終盤は言葉にならない、えもいわれぬ美しさ。自然は素晴らしい!

6.真夜中の恐怖

第6,7,8曲はオーケストラ版には存在しない一連の楽章。怪しげな動物たちが蠢きだす。ですがどこか戯画化されていて、微妙にコミカルなのがさすがコープランド。

7.怒りの日

語りかけるような主題。音楽が辺りを伺うように萌え出ると、いざ戦いの場面へ。

8.危機

焦燥感のあるパッセージ。落ち着きを取り戻すが、再び音楽は追い立てられる。序奏が再び戻ってくると、そのまま終楽章へ。

9.主日(The Lord's Day)

「Simple Gifts」による荘厳なフィナーレ。戦いは終わり、平和が、またやってきた。白眉はその後の静謐なエピローグ。登場人物は消え去り、自然だけが静かに喜びを囁きあう。甘すぎず、毅然とした主題。涙が自然と出てきます。



 コープランドの魅力が詰まった傑作。アメリカ音楽特有の明るさ・軽さの中にも、しっかりと懐の深さを感じさせます。映画だと「シェーン」なんかの雰囲気に近い。旋律素材自体の美しさはさながら、ポリフォニーの手法やオーケストレーションも素晴らしい。特に室内楽版は贅肉が無くてより深い味わい。例えるなら白身魚です。対してオーケストラ版は脂の乗ったマグロですね。もちろんマグロも最高です。


管弦楽版演奏







室内楽版






Simple Gifts



blast! 「SmpleGifts」「アパラチアの春」




ホグウッド@バーゼル室内管弦楽団

完全版の演奏。室内楽版はこれがベスト。

MTT@SFRO

完全版の演奏。オーケストラで完全版は珍しい。ちょっと音が固めなのが気になりますが、演奏は非常に良好。

ドラティ@ロンドン響

少々短いバレエ組曲版。艶やかで自制のある演奏。オススメです。

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ヴィターリ:シャコンヌ

 シャコンヌはバッハだけじゃない。このヴィターリのシャコンヌも超名曲にして泣けるクラシックの最大手。
 音楽は心の臓を握り締められるかのような、切実で美麗なもの。一貫した嘆き。退廃的ですらあります。


ハイフェッツのオルガン伴奏付き演奏!息を飲む神聖な響き。



ミルステインの演奏



サラ・チャンの演奏



若手演奏家、Tymur Melnykの演奏。(YouTubeにアップロードしているのは本人です。コメント欄には本人も書き込んでいます。)




…というヴィターリのシャコンヌですが、実はヴィターリの作品じゃない、というのが今の一般的な学説。真の作者は不明です。曲の出自自体にも実にミステリアスな魅力がありますね。知らず知らずのうちに持ち上げられてしまったヴィターリは天国で何を思う。

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マーラー:交響曲第5番より第4楽章「アダージェット」

 ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」で使われ一躍有名になったこの「アダージェット」。ほとんど破綻寸前の退廃的な美しさ。マーラーの書くこれ以降のアダージョ楽章は、これより感情的に錯綜したものとなっていきます。
 マーラーの凄いところは、この美麗なアダージョ旋律を次の第5楽章でパロディ化してしまうところ。階段的な発展の中で自身の作品を変容していく、自己否定の精神はマーラーの音楽に付き物です。
 ちなみに、「ベニスに死す」の作者トーマス・マンはマーラーと面識があり、作品の主人公グスタフ・アッシェンバッハはマーラーに着想を得たとされています。その後、ヴィスコンティは「ベニスに死す」を読み、その事実を“知らずに”グスタフ・アッシェンバッハにマーラーの印象を抱いた、というから驚き。原作ではアッシェンバッハは作家ですが、映画では作曲家になっており、子供を失うエピソードも追加されています。いわずもがな、それはアッシェンバッハをマーラーに重ねた結果です。映画、原作共に、アッシェンバッハのモデルは実はマーラーだったのです。


「ベニスに死す」より。ビョルン・アンドレセンは美しすぎる!




メータ@IPO



美しい風景に乗せて。




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ミシェル・ルグラン:シェルブールの雨傘のテーマ

 ミシェル・ルグランによる映画音楽。ルグランの名曲動画集はこちら


title theme from The Umbrellas of Cherbourg

 全編アリアのミュージカル映画。これが涙腺決壊メインテーマ。




Michel Legrand - Les Parapluies de Cherbourg(Japan TV)
 日本での演奏。羽田健太郎の神掛かり的な演奏が圧倒的。




Rudy Hung plays 13 Jours en France/Parapluies Cherbourg
 「白い恋人たち」に続いて。ハーモニカ演奏。




エンニオ・モリコーネ:ニューシネマパラダイスのテーマ

 映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネの代表作にして傑作。甘い郷愁とセピア色の追憶。嗚呼これで泣けない訳がない。アルフレート!

Ennio Morricone - Cinema Paradiso
 クラリネットで始まる主題の美しさと言ったら…!指揮はモリコーネ自身ですね。




Richard Clayderman in concert - Nuovo Cinema Paradiso
 リチャード・クレイダーマンの演奏。




Ennio Morricone - "Love Theme" - from "Cinema Paradiso"
 これ「愛のテーマ」という曲名なんですね。もはや反射的に泣けます。




cinema paradiso
 映画本編のあのシーン。映画未見の方は人生の楽しみとして取っておくために、今観ない方がよろしいです。





ペルゴレージ:スターバト・マーテル

 夭折の天才ペルゴレージ(1710-1736)が残した最高の作品。ペルゴレージは生きていればモーツァルトに並ぶ大作曲家となっていた、と評価される天才作曲家です。ペルゴレージはオペラ・ブッファの創始者としても有名。
 「スターバト・マーテル」は古来から歌われているカトリック聖歌の中の一曲。同題材ではルネサンス音楽の大家パレストリーナ(1525-1594)からポーランドの現代音楽作曲家のペンデレツキ(1933〜)まで、様々な作曲家が「スターバト・マーテル」を残しています。
 ペルゴレージの「スターバト・マーテル」はその中でも群を抜いて評価が高いもの。ペルゴレージのスターバト・マーテルをベストに挙げる人は多いです。簡素にして高潔な美しさ、聖母マリアを連想させる女性的な流線型の旋律、ベルニーニの彫刻のごとき絶対美、あぁ、この美しさなんぞ言葉で言い表せようか!といった素晴らしい音楽です。


Pergolesi - Stabat mater - 1st movement
 第1曲。この高貴な美しさ!もっとも有名な箇所です。掛留音と呼ばれる技法がこの神性さを醸し出します。歌詞はこちら




Andreas Scholl - Pergolesi - Stabat Mater
 第4曲「Quae moerebat et dolebat(尊き御子の苦しみを)」。これが宗教音楽だってんだから驚きです。くつろぎ。わずかにユーモアを感じさせる珠玉のメロディ。




Stabat Mater Pergolesi 5
 第5曲「Quis est homo(涙しない者がいるだろうか)」。




Viviana Hernandez - Stabat Mater, Pergolesi
 第6曲「Vidit suum dulcem natum(愛する御子が息絶えるのを見ておられた)」。




Stabat Mater
 第1曲。神秘的な画像に乗せて。


オススメの盤はデュトワ盤。現代楽器での演奏ですが、瑕一つない完膚なきまでの美しさを堪能できます。



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ニーノ・ロータ:ゴッドファーザーより「愛のテーマ」

 ゴッドファーザーより「愛のテーマ」。もはや反射的に涙腺が刺激されます。この重厚感と夕焼けのような哀愁、ふさわしいテーマ曲です。
 ちなみに映画音楽作曲家で知られるニーノ・ロータですが、「本業はあくまでクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味にすぎない」とは本人談。是非クラシック作品も聴いてあげてください。







godfather theme ( slash solo live in somewhere)
 スラッシュのライブより。好きなんでしょうねぇ。




Godfather Theme Acoustic Guitar
 アコースティック・ギターで。



 このテーマもいいですねぇ。堪らない寂寥感。



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