エロクラシック〜 シュールホフ:ソナタ・エロティカ



 音楽はエロです誤解することなかれ、無論ここでの「エロ」はAVビニ本でらべっぴんの類の即物的エロではなく、もっと広義の、万物の創生に関わる力としての「エロス」を指します。強靭なエロスを持つ音楽家は、情感に富む至高の音楽を紡ぎだすことが出来るのです。いやほんとに。

 という前置きとは無関係に、「エロい音楽」を紹介したいと思います。
 まずあげられるのがスクリャービン作曲の「法悦の詩(Poem of Ecstasy)」。神秘和音に彩られた濃密な音楽は非常にエロティック!露骨にコレはナニがどうなってるだろ!という場面も。終盤の爆裂部分はまさに法悦(Ecstasy)。


 2台のピアノとソロ・トランペット用編曲。素晴らしい演奏。




次点はR.シュトラウスの「サロメ」。「7つのヴェールの踊り」は実にエロティック、オペラだとサロメ役はほぼ半裸で踊り狂います。「椿姫」同様ソプラノの容姿が問われる曲でもありますね、でっぷり巨体のサロメはなんか嫌です。






番外ですがストラヴィンスキー「春の祭典」終盤もエロティックな演出が多いです。

プレルジョカージュ
http://www.youtube.com/watch?v=LN5apu_EOyY


ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団



ベジャール


現代バレエはかくも深い。なお紹介済みのプロコフィエフ「炎の天使」もかなりエロい。

 そんなエロ音楽界の中で燦然と輝く、圧倒的エロ存在はエルヴィン・シュルホフ(1894-1942)作曲「ソナタ・エロティカ」です。シュルホフはチェコの作曲家。ドイツにおいて前衛芸術家として活躍しましたが、ナチスに「退廃芸術」烙印を押され、戦火を逃れるも逮捕され、強制収容所で死去しています。

 波乱の生涯の中で彼が残した異作が「ソナタ・エロティカ」。説明するのも実にバカらしいのですが、女の人がドイツ語でひたすら喘ぎます。「Nicht!Nchit」「Du! Du!」。ご丁寧に四分音符=144ぐらいの前後運動を感じさせます。中盤に差し掛かり音量・音高・テンポは次第に上がっていき、法悦(Ecstasy)の後、収束していきます。そして極めつけは最後の水音。何をしてるんだ何を。ナニか。

 「ソナタ・エロティカ」はこのような荒唐無稽な作品ですが、シュルホフは紛れもなく一流の作曲家です。重厚ながらも退廃的で皮肉めいている交響曲作品、JAZZの書法を活かした「ホット・ソナタ」や「交響曲第3番」などは今聞いてもイカした作品。

残念ながら映像はありませんがAmazonで少し視聴できますね。これはキモい。




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