楽器の風景

 楽器の世界は深い。思い入れのある楽器を紹介していきます。


バグパイプ

 Bagpipe


 ご存知スコットランド、アイルランドの民族楽器。タータンチェックのスカートを穿いて演奏するアレです。
 Bagpipeという言葉は、皮袋=Bagから来ています。皮袋に空気を溜め込み演奏する笛を一般にバグパイプと言います。日本語的に言えばバッグ・パイプの方が分かりやすいですね。
 特徴的なのはドローン管の存在。ドローンとは通奏低音(オルゲンプンクト(独),オルガンポイント(英))とも言い、曲の最初から最後までずっと鳴り続けている「ベースコード」とも言うべき音のことです。ドローンの上で旋律が複雑に動き回ります。ドローンは各種民族音楽に頻繁に見られ、民族音楽の重要な要素の一つとも言えるでしょう。
 魅力の一つでもあるドローン管の存在は、しかしながら楽器を鳴らすためには大量の息を必要とすることを意味します。袋に穴がたくさんある訳ですから。恐ろしい量の肺活量が無いとバグパイプは演奏できません。満足に吹くために肉体トレーニングは必須事項です。元来野外用の軍楽楽器ですから、筋骨隆々の猛者のための楽器なんですね。
 グレート・ハイランド・バグパイプなどの大型楽器は、音量も壮絶。その大音量は隣の町まで聴こえることでしょう。野戦の合図や行軍の号令なんかに使われたそうです。以上のことから、ちょっとやってみようかな、なんて志しでは到底出来ない楽器の一つです。かくいう私は挫折者の一人…完全にインテリアと化しています。


バグパイプの構造
 (スコットランド・ラムゼイパイプバンドHPより)



ハンガリーのバグパイプ・デュダ(DUDA)


その他各国のbagpipeはこちらのサイトに写真があります。詳しいリストはこちら(何故「バイヤー法」…?)。



Andrew playing a bagpipe solo
 注目すべきは音量がずっとフォルテであること。この楽器音量調節出来ないんですね。音楽を強弱で表現できない分、旋律の複雑な動きや装飾音で音楽性を追求します。




Wild celtic bagpipe piece

 手持ち片面太鼓は「ボーラン(Bodhran)」という楽器。





Amazing Grace on Bagpipes
 アメイジング・グレイス。不思議な音響です。




Zorile
 ルーマニアのバグパイプ、チンポイ(Cimpoi)の演奏。




Istvanfi Balazs plays duda(hungarian bagpipe)
 ハンガリーのデュダ。




Bulgarian talanted musician- enjoy it!

 ブルガリアのガイダ(GAIDA)。




zampogna
 スペインのサンポーニャ(zampogna)。形状が少し違い、音程を取れる管が複数あるようですね。なお同名の楽器がペルーにありますが、あちらはパンパイプです。




Sackpipa

 スウェーデンのSackpipa(発音不明)。




Selim Bolukba??-Tulum egzesiz
 トルコのトゥルム。





リンク

 実践的バグパイプ論
 バグパイプ販売



購入者希望者向け情報

 軽い気持ちで買うのは止めましょう。ハーディ・ガーディに並ぶ、習得・メンテナンスに多大な苦労を要する楽器です。加えて練習環境の設営も大変。始めはプラスティック・チャンターのみ買うか、室内用の小型バグパイプ(パーラー・パイプ)の購入がオススメ。
 どうしてもいわゆる「バグパイプ」が買いたかったら、信用の置ける奏者や演奏グループの情報を通じて買うのが良いでしょう。挫折した時のために5〜10万円程度の廉価な楽器が良いかと思います。繰り返しますが、そんな簡単な楽器ではないので「一生付き合う」ぐらいの気持ちが無いと挫折すること請け合いです。




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