楽器の風景
楽器の世界は深い。思い入れのある楽器を紹介していきます。
カンジーラ
Kanjira
このくらいのサイズです。
カンジーラはインド音楽で使われる小型のフレームドラム。皮は世界的にも珍しいトカゲの皮を使用します。
特徴はそのサイズからは考えられない低音。皮の表面を水で濡らし、緩ませることによって、特有の張りのある低音を実現します。演奏中に乾いてしまうこともままあるので、プロの奏者は3〜4つ用意する場合もあります。また、タンバリンのようなジングルが1箇所だけ付いており、音色に華やかさを加えています。
輸入は禁止されているので本トカゲ皮の楽器を手に入れるのは難しいです。たまーにオークションなど出回っており、私も以前本皮の楽器をオークションで購入しました(売ってしまいましたが…)。本皮の代替として、REMOからプラスティック皮のカンジーラが発売されています。トカゲ皮に比べて低音の張りは劣りますが、チューニングも扱いも容易なので、これはこれでなかなか良い楽器です。
プラスティック皮カンジーラ
Kanjira Solo with Ganesh Kumar
本当に信じられない音色です。演奏中に皮を濡らしているのが分かりますね。しかしインド音楽畑の指さばきは凄まじい。
michaeljang.com/ Rusty Gillette 2
カンジーラ紹介ビデオ。
tani Avartanam - Mannargudi A Easwaran & Neyveli B Venkatesh
ムリダンガムとカンジーラ。超絶アンサンブル。
tani Avartanam - Umayalpuram K Sivaraman & G Harishankar
超絶技巧のハリシャンカール。
G Harishankar strikes again
もう一本ハリシャンカール。これ片手ですからね…。
Thani avarthanam (Carnatic percussion solo)
こちらもハリシャンカール。この演奏は興奮させられますね。
購入者希望者向け情報
トカゲ皮はワシントン条約で取り締まられているため、現在では輸入することも難しいそうです。オークションなどで見つけるしか方法は無いでしょう。最近のインド音楽知名度向上の動きに即して、値段はかなり上がっています。私は2003年にオークションで8000円で買いましたが、先日(2006年)その楽器を売ったときはなんと2万円超で落札して頂きました。なにせ取引が少ないので、あまり値段に関しては参考にならないかもしれませんが…。
対して、プラスティック皮の楽器は比較的容易に手に入ります。REMO製のが定価\8,400なので、カンジーラを始めたい方はまずはそれを購入することをオススメします。
なお演奏は、当たり前ですが滅茶苦茶難しいです。タブラ同様、本気でやろうとしたら20年、インド音楽の理論も学ぼうとするのなら、一生掛かります。