楽器の風景
楽器の世界は深い。思い入れのある楽器を紹介していきます。
ムリダンガム
mridangam (mridanga, mrudangam, mrdangam, mrithangam)
ナットボルト式
ムリダンガムはインド音楽で使われる打楽器の一つ。主にカルナティク音楽(Carnatic)と呼ばれる、南インド音楽で使われます。
この楽器はタブラ・バヤの原形でして、タブラ・バヤは、この楽器が派生する過程で右と左に分割されたものです。とはいえ音色はかなり異なっており、構造的な理由でムリダンガムはタブラ・バヤに比べると残響が少なくなっています。高音側は弦楽器を思わせるビンビンというシビレを伴った音色です。演奏時には低音側に小麦粉を粘土状に溶いたものを塗りつけます。
こういった形状の打楽器は、ネパールのマダル、バングラデシュのドーラクなど南〜中央アジア全域に存在します。
タブラに比べると多少“華がない”楽器ですが、大地をイメージさせる音色とマシンガンのような連打は、インド音楽にしっかりと華を添えるものです。ちなみに良く間違われるのですが、ムリ“ガンダム”ではありません、ムリダンガムです。
またこの楽器は守護神ガネーシャを表象するそうです。ヒンドゥー教には明るくないのですが、確かにそんなイメージがあるかも。
A sample of mridangam online class
こんな音です。
Mridangam Practice - I
素朴ながらも多彩な音色。
THE INIMITABLE MRIDANGAM MAESTRO GURU KAARAIKKUDI MANI
Guru Karaikkudi Maniの超絶技巧ムリダンガム。インド打楽器アンサンブルの風景は妖しげで良いですね。
Siva Shankar Percussion Duet (Mridangam & Ghatam)
ガタムとの二重奏。暴力的なまでの連打が凄まじい。
Issai Mazhalai - Master Vignesh
子供によるカルナティク音楽の演奏。インド人恐るべし。
Notable Vainika Series: Revathy Krishna
ヴィーナ(veena)の伴奏として。このヴィーナはサラスワティ・ヴィーナと呼ばれる南インドのヴィーナです。
Dholak, Nut and Bolt Demonstration
同系楽器の「ドーラク」。バングラデシュ周辺で使われている楽器です。
Madal The musical instrument of Nepal
ネパールの「マダル」。
購入者希望者向け情報
他のインド打楽器に比べて人気が低いのであまり市場に出回っていませんが、インド楽器・雑貨輸入のティラキタなど取り扱っている店舗・業者は確実に存在します。値段は3万円前後で取引されています。