楽器の風景

 楽器の世界は深い。思い入れのある楽器を紹介していきます。


ハイドローロフォン


 hydraulophone


 ハイドローロフォンはカナダのスティーブ・マン教授らが開発した大規模な創作楽器。「hydraulic=水力の」という名前が示すように、水の力を使って発音する楽器です。製品化にあたってはFountain(噴水)をもじって「FUNtain」と呼んでいるようです。

 まずはどうぞ音を聴いてください。

Playing Bach on a water fountain (Ontario Science Centre)



 オルガンと同じような構造をしているとのことで、音色はオルガンに近い。ウォーター・フルート、ウォーター・オルガンなどの呼び名もあります。
 キーボードのように電気的に情報を変換して増幅しているのかと思いきや、発音の原理自体は基本的に完全にアコースティックなものだそうです。現在は開発が進んでおり、「完全にアコースティック」「完全に電気的」「アコースティック・電気の併用モデル」などが存在しているようです。コンピューターを使って音の処理をしてシンセサイザーのように使うことも出来るとか。


Portable hydraulophones (waterflutes)




 小型の楽器も開発されています。後半の抱き枕のような緑色の物体は「Nessie(ネッシー)」と呼ばれるモデル。うーん魅力的な形。



The Hydraulophone: Invention of a new musical instrument
 紹介ビデオ。




Hydraulophone in concert
 「ハイドローロフォンのための組曲」なんてものも作曲されているようです。グリッサンドを多用しているようですが良く聴こえないのが残念。




Happy Birthday (second verse in minor key)
 何故か転調。




Hydraulophone (water pipe-organ flute), Pachelbel's canon




 うーん面白い。これ日本に入ってきたら絶対有名観光スポットになると思います。水が循環して自動で清掃してくれるので導入後のお手入れも簡単!クリエイティブな企業さん、是非導入を。


 もっと詳しく知りたい方は開発者の教授たちの共同論文「Hydraulophone Design Considerations:Absement, Displacement, and Velocity-Sensitive Music Keyboard in which each key is a Water Jet」を是非。私は全文読んでいませんが、仕組みや特徴が詳細に述べられています。



購入者希望者向け情報

 残念ながら個人レベルで購入出来る楽器は開発されていません。




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