トップページへ


涙腺決壊音楽選集

泣きたいあなたに泣ける音楽をノンジャンルでご紹介。


ペルト:フラトレス

 エストニアを代表する現代クラシック作曲家、アルヴォ・ペルトの代表作。静謐で敬虔な音楽は心を浄化してくれます。
 オススメは爆裂音楽のところでも紹介した「タブラ・ラサ」も収録されている、マンフレード・アイヒャーのプロデュース盤。ギドン・クレーメルとキース・ジャレットが共演してます。

 3分弱。



 残念ながらちょっと演奏がまずいですね…。参考程度に。


トップへ


ペルト:鏡の中の鏡

 上に引き続きペルト。7分ほどの小品ですが、とても印象的な作品です。遠く、甘い、追憶。これ嫌いな人いないんじゃないだろうか。簡素な和声、三度和音を使ったティンティナブリ様式、という作曲語法が使われています。「アリーナ」に3バージョン収録されています。



トップへ


ペルト:アリーナのために

 またまたペルト。上で紹介した「アリーナ」に収録されています。深く深く沈殿していくような、瞑想的な音楽です。肌寒い夜の町を歩きながら聴くと、まるで違う世の中を感じることが出来ます。こういった、静かで平坦な音楽が好きならグルジェフ/ハルトマン音楽もオススメです。当コーナーでも紹介予定。



トップへ


ラウタヴァーラ:鳥と管弦楽のための協奏曲「カントゥス・アークティクス」

 ラウタヴァーラは現代フィンランドを代表する作曲家。恐らく今最も評価の高いクラシック作曲家なのではないでしょうか。
 この「カントゥス・アークティクス(Cantus Arcticus)」は、テープ録音された鳥の声を使った作品。オーケストラの作り出す音響風景と神秘的な鳥の声が渾然となり、全く聴いたことのない壮大な音楽空間を創り上げます。
 3楽章からなる18分ほどの作品です。第2楽章「メランコリー」、第3楽章「白鳥の飛来」が特に素晴らしい。

第1楽章「沼(The Marsh)」
http://www.youtube.com/watch?v=qmrSVJm5N4A

第3楽章「白鳥の飛来(Swans Migrating)」
http://www.youtube.com/watch?v=0dzSykcZDEw

オススメはヴァンスカ版。傑作と名高い交響曲第7番「光の天使」も同時収録されています。ちなみにラウタヴァーラは一時期「天使」が好きだったようで他にも「黄昏の天使」なんて作品もあります。他にはスプーンを使ってギターを弾く「ユニコーンのセレナーデ」なんかも面白い。

トップへ


ケテルビー:修道院の庭にて

 アルバート・ケテルビー(1875-1959)はイギリスの作曲家。「そりすべり」「シンコペイテッド・クロック」のルロイ・アンダーソン(1908-1975)と並び称される、軽音楽の名作曲家です。万人受けするメロディを紡ぎ出すことかけてはケテルビーの右に出るものはいません。メロディメーカーとしてのセンスは、あらゆるクラシック作曲家の中でもずば抜けていると言っていいでしょう。
 ライトクラシックはどうにも軽視されがちですが、個人的にはとても好きなジャンルです。街を歩きながら聴くと幸せな気分になれますよ。特にケテルビーのこの曲は、晴れた日に歩きながら聴くと危うく信号無視しそうになるくらい気持ち良いです。「キリエ・エレイソン」と合唱が入るところは感動的ですらあり、ほろっとくることも。


Albert Ketelbey - In A Monastery Garden



 ケテルビーは「ペルシャの市場にて」も有名ですね。他にもまだまだ愛すべき名曲がたくさんあります。DECCAから1,000\の廉価盤が出ているので気に入った方は是非。

トップへ


フォーレ:エレジー

 フォーレの傑作小品。これぞElegie(悲歌)。中間部の回想的な美しさは特筆モノ。フォーレはほんとに良いメロディ書きますねぇ…。

ジュリアン・ロイド・ウェッバーのチェロ演奏。


オーケストラ+チェロ。独奏はピアティゴルスキー。


Cello Journeyの2人による演奏。

トップへ


リゲティ:レクイエム

 ほとんど呪詛。レクイエムってあなた主体が違うでしょ、鎮魂される側が歌っちゃってどうするんです。怖すぎて泣けると言う意味で泣けるクラシック。



トップへ


マルティノフ:Come in!

 ウラディミール・マルティノフ(1946〜)はロシアの現代音楽の作曲家です。私もこれ以外に作品を知らない、有名とは言えない作曲家ですが、作品には宗教的な美しさを持った優美な楽曲が多いようです。グレツキの「悲歌のシンフォニー」、ジョン・タヴナー、ブライヤーズなんかに連なる、ホーリー・ミニマリズムの一派と捉えても良いのでしょう。ということはそれらが好きなら絶対に気に入ります。
 この「Come in!」は終始落ち着いたテンポで、独奏ヴァイオリンと弦楽合奏が交互に旋律を紡いでいく作品。形式的には変奏曲となっているようですが、曲調は一定で、むしろミニマル音楽と言った方がよさそう。ときよりウッドブロックが軽やかに、扉を叩く音を模して現われます。これが実に面白い。不思議な瞬間です。
 30分近い長めの作品ですが、始終天国的な雰囲気に包まれ、月が輝く夜道を歩いてる時なんかに聴くと、気持ちよすぎて涙が出ます。
 オススメ盤はクレーメルとクレメラータ・バルティカの「沈黙(Silensio)」。マルティノフのこの曲はレビューでも絶賛されています。

 最初の6分。この至福が30分続きます。

トップへ


ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲

 ショスタコーヴィチの作品は、交響曲第5番「革命」や第7番「レニングラード」のような、政治的意図が含まれている“公”の作品と、DSCH音形などが使われる室内楽のような“私”の作品の二つに大別することが出来ると言われます。そして、大体の人は最初は“公”の作品を好むのですが、彼の音楽をより聴き進めて行くと“私”の作品の方が好きになるようです。
 このピアノ五重奏曲は“私”の作品であり、ある意味で通好みの一品です。彼特有のユーモアとけばけばしさはナリを潜め、一貫して真面目な音楽が展開されています。彼の交響曲作品が好きな人は、ここら辺に戸惑う人は多いようです。しかしこれも彼の持ち味なんですね。

 白眉は第3楽章の「間奏曲」。神がかり的な素晴らしさがあります。




 ボロディン弦楽四重奏団とリヒテルの名演がCD化されてます。こちらをオススメ。

トップへ





トップページへ

inserted by FC2 system